親孝行のための「家族信託」活用事例&実践ガイド
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【認知症対策】親のために家族信託でできること

家族信託の活用ポイントと最新事例まとめ

老後の財産管理や財産承継に有効な方法として、注目を集めている家族信託。例えば親が認知症を発症してしまい、判断能力に問題があるとみなされると、資産管理・運用に関わる法律行為ができなくなる可能性があります。その点、家族信託の仕組みにより、あらかじめ財産を管理・運用する権利を家族に託しておけば、いざという時も安心です。

また財産を保有している委託者は、そのすべてを信託する必要はなく、範囲を自由に定められます。このため「家族とはいえ、お金のことだから慎重になりたい。あまり多くの財産管理を任せると、使い込まれてしまうかも?」という心配があるケースでも、調整が可能なのです。

ここでは、家族信託のメリットを十分理解して活用するためのポイントを、相談実績で年間150件を超えるという「司法書士リーガル・パートナー」協力のもと、最新事例をふまえて分かりやすく解説しています。

アドバイザー「司法書士リーガル・パートナー」紹介

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家族信託サポートで年間150件の相談実績を誇るプロフェッショナルです。家族信託が「誰かのために無償で行うこと」が前提になっている仕組みであると考え、相談者の気持ちを最大限にくみ取った提案を展開。
年間600件以上の不動産法務関連サポートで蓄積した豊富なノウハウと、税務・法務にワンストップで対応できるネットワークを活かして、不動産取引・相続をはじめ、事業継承に至るまで、あらゆる課題解決を提案します。

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認知症になったら、財産はどうなる?

親が認知症になり「判断能力に問題が生じている」とみなされると、法律行為ができなくなることで、本人が保有していた資産が凍結されてしまいかねません。具体的には、預貯金の払い戻しや、所有している不動産の売買ができなくなる、収益不動産の場合は新たな入居者を募ったり、大規模な修繕を行えなくなるといった問題に発展する可能性があります。

これらの手続きに関わる契約は、家族が代理で行うことはできないので、本人が死亡し、家族への相続がきちんと行われてからでないと、財産には手を付けられないのです。

認知症患者の介護には多くの費用が必要となります。しかし本人の財産で賄うことができなければ、その重い金銭的な負担が、家族の肩へのしかかっていくこととなります。

認知症対策として家族信託でできること

認知症の親の財産管理法として、よく挙げられるのが『成年後見制度』です。しかし、後見人には弁護士や司法書士などが選定されることが多いので、一次的とはいえ、財産が親族の手から離れることになります。

また「所有財産のすべてが管理下に入ってしまう」、「後見人は、一度選定されてしまうと、親が死ぬまで解任できない」など、さまざまなデメリットがあります。

家族信託は、成年後見制度が持つデメリットを感じることなく、より柔軟に財産を管理できる方法。受託者が費用を払う必要はありませんし、契約期間や信託財産の範囲も自由に設定できるのです。ぜひ活用を検討してみましょう。

認知症になっても、家族信託できる?判断基準は?

認知症が進行してしまうと、家族信託の契約を結ぶことはできなくなりますので、早めに準備を進めていくことが肝心です。

しかし軽度認知障害の場合なら、まだ間に合うこともあります。認知症らしい症状が多少出ている場合でも、医師に診断書を作成してもらうことで家族信託契約を進められる場合もありますので、早めに診療を受けるようにして下さい。

【ケース別】家族信託活用事例

相談実績で年間150件を超えるという「司法書士リーガル・パートナー」協力のもと、「家族信託」を活用することで財産管理の悩みを解決できた最新事例をまとめました。空家になる実家の売却や、収益物件の運用管理、土地継承といった具体的なケース別に、ポイントを分かりやすく解説しています。

空家になる実家などの不動産売却

認知症対策として、居住用不動産を家族信託に取り入れるメリットを調査しました。家族信託を活用することで、空家になる実家を売却して、介護施設の入居費用を捻出できたケースなどを紹介しています。気になる方は、ぜひ内容をチェックして下さい。

家族信託を利用した実家売却の事例を見る

アパート・マンションの経営

認知症対策として、収益用不動産を家族信託に取り入れるメリットを調査しています。親がアパートやマンション経営を行っている場合、認知症になってしまうとさまざまな問題が生じます。事前に信託財産に含めておけば、有効な認知症対策として機能することは間違いありません。

不動産管理に家族信託を取り入れた事例を見る

土地の活用・継承

認知症対策として、土地を家族信託に取り入れるメリットをリサーチしています。先祖代々受け継いできた土地があるという場合、その継承について、認知症になる前にきちんと手を打っておくことは非常に大切です。専門家のアドバイスを交えながら、方法の詳細をまとめています。

土地活用・継承に家族信託を取り入れた事例を見る

生活資金の管理

親が独居しているという場合、子供に生活資金の管理をしてもらうことで、防犯や詐欺予防に役立つケースがあります。家族信託なら、信託財産の範囲も委託者が自由に決められますので、より安心できるでしょう。実際の活用事例を掲載していますので、メリットの実感にお役立てください。

老後生活資金の管理に家族信託を活用した事例を見る

家族信託による事業承継

相談者が会社経営を行なっている場合において、家族信託を取り入れるメリットを調査しています。家族信託を使うことによって、例えば、親から子への承継にあたって贈与税をかけずに行うことが可能です。認知症になってしまったり、亡くなってしまったりすると、さまざまな問題が生じる可能性があるため、事業承継をお考えの場合は、早めに手を打っておく必要があるでしょう。専門家のアドバイスも交えつつ実際の事例を紹介しているため、気になる方はぜひチェックしてみて下さい。

家族信託による事業承継を活用した事例を見る

相続トラブル回避を目的とした家族信託

認知症対策として、相続トラブル回避を目的に家族信託を取り入れるメリットを調査しています。家族信託を利用することで、遺言ではカバーできなかった二次相続の問題も解決できます。何より、親が認知症になる前に家族信託を結ぶことが大前提です。仮に親が認知症になっても家族が資産の運用をすることも可能なため、未然に相続トラブルを回避することができます。実際の相談例を挙げながら詳しく解説しておりますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

相続トラブル回避を目的とした家族信託の事例を見る

家族信託による共有名義とトラブル回避

共有名義の土地や建物の相続は、共有者同士の権利をめぐってトラブルが起こりがち。相続を繰り返した結果、ほとんど初対面の親戚と同じ土地を共有することにもなりかねません。家族信託を利用することで、共有者のだれもが納得できる結論を得やすくなるでしょう。ここでは実際に家族信託を使って子どもたちへの財産分与をしたケースをご紹介しています。今のうちから相続対策をしておきたいという方はぜひチェックしてみてください。

家族信託による共有名義とトラブル回避の事例を見る

家族信託は成年後見制度と比べて
柔軟な財産管理が可能

家族信託を利用した財産管理では、財産の所有者が元気なうちに将来的に財産をどのように管理・処分するのかを決められます。委託者のニーズを満たすめに必要となる受託者の権限を予め信託契約の中に記載しているので、受託者は付与された権限を行使して柔軟な財産管理が可能。一般的には委託者が受益者になる場合が多いのですが、家族信託で障がいのある家族や親戚をサポートしたいという場合には、委託者以外を受益者に設定できます。ケースに応じて柔軟に財産管理できるのが、家族信託の特徴です。

一方で、成年後見制度では本人にとってメリットのある財産管理しかできません。家族信託のように家族や親戚へのサポートは行えません。また成年後見制度の場合、定期的に裁判所への報告が義務付けられているので、後見人に任命された方の負担が重くなるというデメリットも。後見監督人が選任された場合には後見監督人への報酬も発生します。

その点家族信託であれば、受託者は一般的に家族または親戚の中から選ばれるので成年後見制度のように報酬を払う必要がありません。

家族信託では相続人の財産管理も行える

契約内容に従って、相続した人の財産管理も行えるのが家族信託のメリットです。家族信託には遺言機能があり、委託者の死後に信託財産を誰に相続させるのかを予め決められます。仮に相続人が認知症をはじめとした疾病で判断能力を失っていたとしても、受託者の管理の下で相続人へのサポートが可能です。例えば、高齢で認知症を患っている妻を残して先立った夫の財産を妻の財産とともに子どもが管理することで、妻が施設に入居することになった場合にも、財産を売却して資金調達できます。

しかし成年後見制度の場合は、認知症の妻に後見人が就き、財産を売却する際には裁判所への申立が必要です。そのため時間や手間がかかります。

家族信託を利用することで希望通りの資産継承が可能

家族信託には遺言機能があるので、委託者の死後に信託財産を誰に相続させるかをあらかじめ決められます。相続人が亡くなった場合、次に誰に信託財産を相続させるのかも決めることも可能です。このように委託者の希望通りに資産の継承を行える信託を跡継ぎ遺贈型連続信託と言います。跡継ぎ遺贈型連続信託では受益権を継承させていきます。

この際に、1次相続者の判断能力が低いために次の資産継承者を指定できない場合には、家族信託の遺言機能で継承者をあらじめ指定できるのがポイントです。資産継承者が決まっていないと、遺産分割協議を行わなければならず、遺産相続トラブルが起きてしまうかもしれません。しかし家族信託を利用することで、無駄な争いを回避できます。

家族信託で不動産トラブルを回避できる

最適なタイミングで不動産を活用・処分することも、財産管理において重要なポイントです。家族信託では信託契約を設計する時に、将来的に信託財産をどのように管理し、どのタイミングで売却するのかを決められます。委託者が亡くなってしまった後に、兄弟や親戚などと信託不動産を共有する場合では、不動産を売却処分するには共有者全員の同意が必要です。しかし、共有者が自分の利益を優先したことで、全員の意見が一致しない場合には不動産を売却できずに塩漬けとなってしまうでしょう。家族信託で売却のタイミングを指定しておけば、信託内容に従って受託者の権限で不動産を売却できます。

【対談企画】相談相手の選び方・見極め方
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家族信託で実績多数の専門家

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