親孝行のための「家族信託」活用事例&実践ガイド
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生活資金の管理

このページでは、家族信託の信託財産に、預金を含めるケースについてリサーチしています。ぜひ内容をご確認下さい。

家族信託に預金を含める場合

家族信託という財産管理法をご存じでしょうか?死や認知症への不安を意識した人が、生前の頭がはっきりとしているうちから財産の管理法を考え、家族など信頼できる人にその運用を託すという方法です。

似たような財産管理法のひとつである『成年後見制度』に比べ、費用が発生せず、財産の処分に家庭裁判所の許可を求める必要がないなど、自由度の高い方法として注目されています。

もし認知症を発症した場合、本人以外の家族が「預貯金を下ろせない」などの不便が発生します。介護施設費用が捻出できないばかりか、本人の生活資金調達にも苦労するというケースも考えられますから、怖いですよね。

こうした可能性に備え、あらかじめ家族信託契約を締結しておけば、介護の資金繰りもずっとスムーズになりますよ。

本ページでは、以下にその実例を紹介していきます。家族信託の相談実績は年間150件を超えるという、『司法書士リーガル・パートナー』が取り扱った事例です。

アドバイザー「司法書士リーガル・パートナー」紹介

司法書士リーガル・パートナーのイメージ画像

家族信託サポートで年間150件の相談実績を誇るプロフェッショナルです。家族信託が「誰かのために無償で行うこと」が前提になっている仕組みであると考え、相談者の気持ちを最大限にくみ取った提案を展開。
年間600件以上の不動産法務関連サポートで蓄積した豊富なノウハウと、税務・法務にワンストップで対応できるネットワークを活かして、不動産取引・相続をはじめ、事業継承に至るまで、あらゆる課題解決を提案します。

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仲良し家族が選んだ家族信託の内容

相談者は4人家族で、夫であるAさん(86歳男性)、妻(85歳)、長女(59歳)、長男(55歳)という家族構成。資産は都内の自宅マンション(時価約6,500万円)と、静岡県熱海市にあるリゾートマンション(時価約1,000万円)、そして現金約6,000万円です。また年金収入は、夫婦で月約500,000円ほどあるため、生活には比較的ゆとりがありました。

案件のポイント

最初の相談は長女からで、Aさんが現在病気療養中であり、母が主に介助しているとのことでした。また自宅マンションは駅から遠く、金融機関に行くのもひと苦労というロケーション。頻繁に訪問している長女か弟が、キャッシュカードで生活資金を引き出しては、手渡ししているという状況だったそうです。

テレビで家族信託の存在を知り「我が家でも活用して、両親の生活資金を管理していきたい」と考えるようになったそうです。またAさんには若干の物忘れがあり、将来的には夫婦揃って介護施設のお世話になる可能性も考えているとのことでした。

その後、家族全員で「司法書士リーガル・パートナー」を訪れ、相談を重ねました。

両親の強い希望で「自宅や熱海の不動産については、売却するつもりも、賃貸に出すつもりもない」という希望がありました。「司法書士リーガル・パートナー」も、年金収入と手元のキャッシュで、充分夫婦の生活を守り切れると判断し「不動産を家族信託の信託財産に含まない」という契約内容を提案しました。

また、ふたりの子供それぞれと契約を結ぶ「2本の家族信託」を締結したという特徴もあります。

司法書士・堀内先生が導いた解決方法

最終的には、Aさん夫婦とふたりの子供の間で、以下のような契約が結ばれました。

この内容なら、以下の認知症対策が可能となります。

なお不動産に関しては、相続発生後に売却し、子供たちに均等に相続され、納税資金に充てる予定だそうです。

また信託契約終了後の財産の帰属先は「推定相続人の協議による」という条項も盛り込まれました。これは信託期間中、ふたりの子供のどちらが、迅速に出納へ対応できるかがわからないためです。不公平な結果が導き出されるのを避けるため、協議の余地が設けられたというわけです。

司法書士リーガル・パートナー代表 堀内先生の想い

とても仲の良いご家族であったため、すべての工程がスムーズに進み、約1ヶ月で信託の完了となりました。信託契約が完了した時、ご両親はとてもすっきりとしたお顔でした。私たちにとっても、お役に立てた喜びが強く感じられたご相談でした。

長男に次男の財産管理義務を負ってもらいたい…

相談者は都内に住むBさん(76歳男性)と、その妻(71歳)。資産は、江東区の自宅(相続税評価2,000万円)と預貯金約4,500万円です。ふたりの間には長男(41)と次男(32)の、ふたりの子供がいます。

相談内容

次男は重度の障害を持っており、自立して生活することが困難な状況です。Bさん夫婦は、自分たちが他界した後の次男の生活を、とても心配していたそうです。

次男は自分で財産を管理する能力がないため、遺言ですべてを長男に渡し、その世話を任せたいと考えていました。しかし家族信託の存在を知り、より安心感の高いかたちで、長男に次男の財産管理義務を負ってもらいたいと考えるに至ったそうです。

このケースは「受託者である長男に、受益者である次男の財産管理を任せることが目的」というポイントがありました。

Bさん夫婦にとっては「他人に介入されず、兄弟である長男に義務を負ってもらう」ことで、より安心感が高まるというメリットがあったのです。

とは言え、長男にとっては長く続く信託です。将来、どのような費用が発生するかもわからず「もし信託財産が尽きてしまったら…」という不安もあります。

このため「もし財産が底をついてしまった場合は、家族信託契約が終了する」という条項が盛り込まれました。受益者連続信託を活用しつつ、柔軟な設計も可能なのが、家族信託の利点なのです。

司法書士・堀内先生が導いた解決方法

最終的にはBさんと長男の間に、以下のような信託契約が結ばれました。

本契約より、長男はBさんの財産を、次男のために管理する義務をしっかりと引き受けられるようになりました。

次男様のこれからの生活を、長男様が受託された財産で守り切れることを願うばかりです。

おひとり様の姉の財産管理が不安

東京都新宿区にお住いのAさん(女性・77)からのご相談でした。Aさんの姉Bさん(80)が、川崎の実家と預貯金約2,500万円を保有しており、一人暮らしのため今後資産の管理が必要なのではないかと考えている状態です。

相談内容

Bさんは結婚をしておらず、いわゆる「おひとり様」です。女性のみの姉妹(4人)であったため、Bさんが実家を相続し、現在まで居住しています。今後、年齢を重ねていくにあたって財産の管理に不安を覚えているのと、特定の姉妹には、実家を含めた資産を相続していただきたくないとお考えでした。

司法書士・堀内先生が導いた解決方法

Bさんと、相談者Aさんの息子Cさん(51)との間で家族信託契約を結び、川崎の実家と現金約2,300万円を家族信託しました。これにより、Bさんは今後認知症やご病気になってしまっても、信託した財産の管理には影響がないため、施設入所の一時金や高額医療費などにも対応できます。ただし、今はおひとりで生活ができているため、毎月信託財産から10万円づつお渡しし、少額の年金と併せて生活費を賄っていただいています。

また、特定の姉妹に資産を相続させたくないとのことでしたので、あわせて遺言の作成をし、自身の希望どおりの方が相続できるように手当てしました。兄弟姉妹には遺留分がありませんので、遺言などを作成すれば希望どおりになります。

おひとり様ですが、受託者になっていただける信頼のできる甥御様(Cさん)がいたことがポイントでした。家族信託は、受託者のなり手がいないケースも多いため、お互い即決で判断していただけて良かったです。また、特定の姉妹に相続させたくないとのご希望も、法律専門職なら遺言の提案もスムーズにできるため、複合的な提案でご希望どおりの状態を実現できたと考えています。

司法書士リーガル・パートナー代表 堀内先生の想い

甥御様から「即決で受託者になってもよい」というお返事を頂けたことに、正直驚きました。「小さい時からかわいがってもらったから」という甥御様のお言葉にも感動しました。

よくある質問

家族信託の『受託者』は、どのような役割を持つのですか?

家族信託における『受託者』とは、委託者から信託財産の運用管理を任される人を指します。ただし、自分自身の利益のために運用管理を行うのではありません。あらかじめ定められた信託の目的を理解し、受益者のために財産の運用管理や、処分を行うのです。
受託者に与えられた権限は、契約により異なります。例えば父と息子の間で締結された契約の場合、父が委託者であり受益者で、受託者の息子は「父が認知症になって預金が下ろせなくなった場合でも、あらかじめ信託されていた現金から生活費を捻出する」という役割を果たします。息子にとって特に金銭的なメリットはなく、あくまで父の財産と生活を守るために、制度を活用するのです。

家族信託の『受益者』は、どのような役割を持つのですか?

家族信託における『受益者』とは、信託における受益権を有する人を指します。受益者が独立して設定されている場合、信託における財産管理にはタッチせず、あくまで利益を享受する立場となります。
例えば父と母、そして息子との間で締結された契約の場合、父は「認知症となった妻が心配だが、自分自身も病気で充分に介護できない。息子に財産を預けるので、妻のために活用して欲しい」と願う委託者。息子は任された財産を管理し、母のために活用します。母は契約の中で財産を信託したり、運用活用する立場ではありませんが、息子が遂行する作業から直接の利益を受ける『受益者』となります。

【対談企画】相談相手の選び方・見極め方
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家族信託で実績多数の専門家

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