親孝行のための「家族信託」活用事例&実践ガイド
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アパート・マンションの経営

このページでは、家族信託の信託財産に、収益不動産を含めるケースについてリサーチしています。ぜひ内容をご確認下さい。

家族信託の信託財産に収益不動産を含める場合

家族信託は、老後の財産管理や資産継承対策に有効な財産管理法として、注目を集めています。とは言え、家族信託という制度の存在を知る人は少なく、まだ一般に広く浸透しているとは言えない状況。認知症対策として有効なので、知識を深めておく必要がありそうです。

そのひとつに挙げられるのが、収益不動産という財産の管理。例えば、一棟アパートのオーナーとして不動産を経営してきた父が認知症となってしまうと、法的に「判断能力が欠如している」とみなされ、賃貸契約などの法律行為を行うことができなくなります。

このような状態になってしまうと、新たな入居者付けができなくなり、アパート経営の存続が危ぶまれるようになってしまいます。

家族信託を活用すれば、所有者である親が子にマンション・アパートの管理・運用を委託することで、こうした資産凍結リスクに対策することが可能です。ここでは、家族信託における相談実績で年間150件以上を誇る『司法書士リーガル・パートナー』協力により、収益不動産の管理・運用において、家族信託の仕組みを利用した最新事例を紹介します。

アドバイザー「司法書士リーガル・パートナー」紹介

司法書士リーガル・パートナーのイメージ画像

家族信託サポートで年間150件の相談実績を誇るプロフェッショナルです。家族信託が「誰かのために無償で行うこと」が前提になっている仕組みであると考え、相談者の気持ちを最大限にくみ取った提案を展開。
年間600件以上の不動産法務関連サポートで蓄積した豊富なノウハウと、税務・法務にワンストップで対応できるネットワークを活かして、不動産取引・相続をはじめ、事業継承に至るまで、あらゆる課題解決を提案します。

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父の豊かな資産を息子たちが協力して管理

相談者は、東京在住のAさん(90歳男性)と、その次男(61歳)。母親は2年前に他界しています。

資産は自宅(相続税評価約4,000万円)と、同じ敷地内にある木造アパート(相続税評価約3,000万円)、杉並区にある木造アパート(相続税評価約4,200万円)と現預金(約1億円)、有価証券(2億円)でした。

相談内容

Aさんはこれまで、アパート管理や確定申告をすべて自分で行ってきました。しかし年齢が90歳となり、思考力や体力の衰えを感じているため「アパート管理や確定申告は、今後しなくても済む状況に整えていきたい」と考えていました。

また3人いる子供の中でも次男が「恣意的な行動で父の資産を毀損しないような仕組みを作りたい」と、熱心に取り組む姿勢を持っていました。

不動産だけでなく、流動資産が合計3億円と多額のため、相続税対策も「可能であればしたい」と希望されていました。

司法書士・堀内先生が導いた解決方法

まず上場株式が問題となりました。そのままの状態では家族信託の対象とできないため、換金しなくてはなりません。幸い了承が得られたため、作業はスムーズに進みました。

また相続税対策も課題のひとつでした。家族信託に大きな節税効果はありませんが、多額の流動資産がある場合、受託者がその流動資産を活用することで、相続税評価額を圧縮できます。今回は収益不動産を新たに一軒購入することで、子供3人で均等に収益不動産が振り分けられるよう、進めることとなりました。

最終的には、Aさんと次男の間で、以下のような家族信託契約が結ばれました。

なお今回は、3人兄弟のうち次男が受託者になっていますが「きちんとチェック機能を働かせたい」という希望があったため、長男が『信託監督人』の役割を担うことになりました。定期的にチェックが入ることで、信託の透明性が確保できます。

司法書士リーガル・パートナー代表 堀内先生の想い

特に印象に残ったのは、「透明に」「公平に」家族信託を利用したいというご家族の姿勢です。対立するわけではなく、むしろ「お互いが将来的に疑念を抱かないよう、正しく家族信託を運営していこう」という協力姿勢を持たれていたことに感銘を受けました。私たちにとっても良い勉強をさせていただいたケースです。

不動産を売却せず引き継いで欲しい

相談者は、東京にお住いのBさん(90歳女性)と近くに住む長男(62歳)。ほかに長女(65歳)がいて、父はすでに他界しているという3人家族です。

Bさんの資産は自宅(相続税評価約3,500万円)と、一棟アパート(相続税評価約6,000万円)、そして預貯金約6,000万円と有価証券約3,000万円です。

相談内容

Bさんは90歳という高齢でありながら、コミュニケーションに問題はなく、金融機関との取引も自分自身で行っているほど。しかしアパートの家賃管理や、管理会社とのやり取りが負担になってきたため、近くに住む長男に財産管理を任せていきたいと考えていました。また自身の残す財産については、ふたりの子供に、平等に相続してもらいたいという希望がありました。

司法書士・堀内先生が導いた解決方法

Bさんの希望を汲み「不動産を売買できる権限は不要」と判断しました。ローンがまだ残っていたものの、賃料と年金で充分な収入があり、介護施設入所後の経済状況も黒字という、恵まれたケースです。

ただし収益アパートは「金融機関の担保に入っている」という難しさがありました。契約の中には、「第三者に名義を移さないこと」が条項として入っていることが通常であり、家族信託が抵触してしまう可能性があるからです。「すでに抵当権等の担保に入っている物件については、家族信託で名義を変更しても、金融機関にデメリットはない」という事情説明書を作成し、社内で検討いただいた結果、了承を得ることができました。

また「財産分配を兄妹で均等に」というBさんの要望を尊重し、信託契約は2つに分けられました。それぞれが取得する予定の資産を、受託者として管理することで「生前から自覚を持って欲しい」というBさんの想いが込められたのです。

今回は、2つの信託契約が締結されました。

Bさんに「不動産はそのまま引き継いで欲しい」という希望があったため、2つの家族信託契約には、売却権限は含まれていません。

この内容なら、以下の認知症対策が可能となります。

なお上場株式は家族信託の対象とすることができないため「清算型遺言」を活用し、相続発生時に換金→おおむね平等になるように配慮されました。

司法書士リーガル・パートナー代表 堀内先生の想い

ご高齢であるにもかかわらずお元気で、アパートをご自身で経営されているのに驚きました。家族信託の結果、少しでも負担が減り、余生をゆっくりとお過ごしいただけたら、嬉しいです。

病状悪化のため自宅兼
貸しビルの管理を任せたい

相談者は、港区にお住いのAさん夫婦と長男です。現在、Aさん(84)とその妻(81)、長男(58)、次男(53)の4人家族ですが、Aさんが病気のため闘病中で、症状は楽観視できない状況です。

資産は、中央区にある自宅兼賃貸ビル(相続税評価約8,500万円)と、預貯金約7,000万円、投資していた上場株式約3,500万円です。

相談内容

自宅兼賃貸ビルは、築約40年経過しているのですが、事務所として満室で稼働しています。しかし、長い間各種管理行為を行っていたAさんが重い病気にかかってしまい、今後の管理を長男に任せていきたいと考えていました。

また、Aさんが持つ資産の管理について、妻は一切関与してこなかったため、病状が悪化し、相続が発生した後の生活も気がかりとのことでした。なお、財産の承継については大きなこだわりがなく、妻の生活さえしっかり面倒を見れれば、後は二人の子供たちで話し合って決めればいい、とのお考えでした。

司法書士・堀内先生が導いた解決方法

Aさんを委託者、長男を受託者として、家族信託契約を2本締結します。一つ目の契約対象となる財産は、自宅兼貸しビルと、現預金約1,000万円です。

自宅兼貸しビルについて、長男が受託者として管理をし、Aさんの負担軽減と、自主管理を止め管理会社を活用することで、企業の管理職として多忙な長男でも、無理なく管理できる状態を実現。こちらの契約はAさんの相続発生時にはその妻が二次受益者となり、家賃収入で生活をしていけるように設計しました。

二つ目の契約は現金のみ(5,500万)を対象とし、Aさんに何かあってもすぐに大きな現金を動かせるような認知症対策をしました。こちらは、Aさんの相続発生で家族信託契約が終了し、二人の息子に、均等に財産が帰属します。

また、上場株式は現金化せずに保有を続けたいとのご意向があり、個人資産としてAさんが引き続き保有することになりました。預貯金も500万円ほど信託の対象外となっているため、公正証書遺言を作成し、Aさんの相続時にはすべてを換金し、法定相続分に従って分配することにしました。

家族信託契約を2つに分け、一つは受益者連続、一つは一代限りとすることで、Aさんにご相続があった後も、妻の生活を守ることが可能です。

司法書士リーガル・パートナー代表 堀内先生の想い

Aさんが最も不安に思っていたのは、不動産の管理をどのように継続し、妻の生活を守っていくかという点でした。司法書士リーガル・パートナーでは、もともと不動産取引をはじめ不動産の法律問題を多く扱っていた強みを活かし、迅速に、満足のいく価格・内容で管理を実行できるであろう会社を複数紹介し、無事に契約となりました。家族信託に関するアドバイスとともに、ネットワークの強みが活かせた例かと思います。

深刻な病状の中、家族信託に関する弊所のご説明を理解し、何とかご自身の亡きあとに奥様が困ることが無いようにと心を砕かれている様子に、夫婦の愛情を感じました。

よくある質問

成年後見制度による財産管理と家族信託の違いは?

家庭裁判所に成年後見制度の申し立てをした場合、後見人として親族が選定されるケースは、全体の3割程度。それ以外は、赤の他人である弁護士や司法書士の『職業後見人』が選定されます。

そうなると親の財産に、親族が手を付けることはできません。また自分たちが後見人に選定されなかったからと言って、申し出を取り下げることもできないのです。

親族が後見人に選任されにくい理由として考えられるのは「裁判所がすべての後見人を監視することができないから」と考えられています。

またもし成年後見制度を利用してしまうと、収益不動産という財産の処理に家庭裁判所の判断を仰ぐ必要が生じるため、スムーズには進みません。

やはり認知症対策における財産管理手法としては、より自由度の高い家族信託の方がおすすめと言えそうです。

【対談企画】相談相手の選び方・見極め方
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家族信託で実績多数の専門家

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