親孝行のための「家族信託」活用事例&実践ガイド
親孝行のための「家族信託」活用事例&実践ガイド » 相談相手の選び方・見極め方

相談相手の選び方・見極め方

新しい財産管理法として注目を集めている家族信託。その活用にあたっては、法務・税務をはじめ民法など、横断的な専門知識が必要になるので、専門家のアドバイスをふまえて内容を整備していくのがおすすめです。

では、誰に相談すべき?アドバイザーの実力を判断するためのポイントとは?司法書士と税理士という士業同士によるプロフェッショナル対談企画をはじめ、家族信託に関わるさまざまな専門家のコンサルティングの特徴を考察して紐解きます。

家族信託
プロフェッショナル対談
【司法書士×税理士】

司法書士と税理士という、士業同士による家族信託のためのプロフェッショナル対談企画。家族信託で信頼できる専門家の条件やアドバイザーの役割など、最新事例をふまえて紐解きます。

司法書士リーガル・パートナーのイメージ画像

司法書士/堀内 貴敬先生
家族信託で年間150件の相談実績を誇るプロフェッショナル。「司法書士リーガル・パートナー」代表。2007年に司法書士の資格を取得後、東京都中央区日本橋の司法書士事務所にて約6年勤務。不動産取引サポートをメインとしながら、相続、債務整理ほか、会社設立といった法人関係の相談など幅広い法務領域を担当。
生前対策への関心が集まる中、民事信託(家族信託)というスキームにいちはやく可能性を感じ、研究・提案を推進し現在に至る。

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税理士/渡邉 優先生
税と不動産のプロフェッショナル。「渡邉優税理士事務所」代表。リクルートグループの住宅会社にて、土地のリサーチから広告企画、営業まで、不動産取引のプロセスを広く経験する。特に不動産営業として徹底的な「対話」に重点を置き、顧客ニーズに向き合って出口戦略を提案してきた経験を活かし、2014年に税理士資格を取得。2015年に独立し、相続問題から財産継承まで、あらゆる不動産相続サポートを展開している。

信頼できるプロフェッショナルの条件は?

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渡邉先生:税理士という仕事柄、現場で司法書士の先生と絡むケースはたくさんあります。そこで感じるのは、そもそものコミュニケーション能力が、あまり高くない方が多くいらっしゃるということ。
お客様の話を傾聴する力がないというか、対話をするというところで、不得手にしている先生が多い印象です。まずはそこが一番大事なところなのですが…。

堀内先生:それは士業の方全体に当てはまる話ですね。はじめに机上の膨大な時間の勉学が必要とされる仕事ですし、その中で「営業したくない」「資格をとれば一生くいっぱぐれない」という動機で目指したという人が、私の感覚では半数近くいるイメージです。

日々接している中で、人の目線に立つことや、ビジネスの理解をすることが難しいかな、と感じる人もいる。そこを相談者としてどう見極めるのか、というと、やっぱり実際に会って話すしかないですね。

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渡邉先生:当たり前の話に落ち着いちゃいますが、その通りですよね。実際、私が税理士として「司法書士さん、弁護士さんに、こういうことを言われたのだけど」と相談を受けるときは、大体相談者の方が、上からものを言われたような感覚を受けていることが多いですね。一方で、先生のほうには、特に上から目線に立っているという意識もない。

そうなると結局「今の税理士さんには相談しづらい」ということになるのですが、「そんなにお金を払って相談できないなら、断りましょうよ」と言うと、何か圧を感じているのか、なかなか断れないようです。「聴く側にまわる」ということが大事なのですが、堀内先生のように、それが自然体でできる方はなかなかいないと思います。

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堀内先生:私の場合、性格的に人と話すのは苦手ではない、というのはあります。あとやっぱり我々の立場におけるコミュニケーションというのは、「その人の問題解決に向かっているか」という点がすべてなので、根本的なところを聞きたいな、というのは常に思っていますね。

士業における「実力差」のチェックポイント

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堀内先生:家族信託でいうと、より登場人物が多く、利害関係が複雑なケースで、アドバイザーの実力差が露呈するということがありますね。司法書士としては、不動産取引をはじめ、相続や会社に関する手続きなどを取り扱う中で、法務に関する専門知識を横断・統合して提案してきた経験の蓄積があるかないかで、まず明確な差が出ます。

一方で、お客様がアパートやマンションなどの収益物件をお持ちの場合や、会社が絡んでくる場合は、やはり税理士の先生の力を借りないと、提案が片手落ちになるケースもあります。

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渡邉先生:税務にも主に法人税、相続税といった専門分野がありますが、家族信託に関わるのであれば、相続に力を入れてサポートしている税理士がよいですね。ただし、相続税が分かっていなくても税理士にはなれるので、実績をチェックするなどの見極めが大切です。

堀内先生:渡邉先生は、不動産の営業ご出身で、相続の現場をたくさん経験されているから、引き出しがあってネットワークも豊富にお持ちですよね。家族信託では、価格規模が大きい不動産売買があったり、節税に関する困りごとがある場合も、「法務×税務」の視点で、よりベストな提案をできる可能性があります。実績経験のある専門家のネットワークがあることも強みになるでしょう。

家族信託におけるアドバイザーの役割について

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堀内先生:結局、家族信託におけるひとつのゴールは、相続発生で資産をどう分配するか、あるいはどう信託が続いていくかということ。その過程で必然、ご家族の方それぞれで「これくらいはもらえるだろう」という期待を持つことになります。
一方で、信託が遺留分減殺請求(※)の対象になるかどうかは、まだなお議論がある状況です。

そうなった時に我々としては、できる限りご家族間でもめないような配分、配慮した提案をします。ただし、相談者に強いお気持ちがあれば、リスクを説明したうえで意向を組む。相談者のお気持ちと法律面は別ですので、失うもの・得るもの、起こりえること・防げること、いろいろ勘案したうえで決めていく。つまり、アドバイザーの役割として「利害を調整する」ということが必要になるわけです。

(※)遺留分を侵害されている相続人が、遺留分を侵害している受遺者や受贈者に対して、その侵害額を請求すること。

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渡邉先生:表面上は波風がなくても、実は水面下でみんなが綱引きしている、というような状況であることも多いですね。最近経験した案件では、ご相談を受けた時にはご家族間で分割方針は決まっており、そこでもめることはないという前提で相続税申告のお手伝いをしてほしいと伺っていたのですが、話が進んでくるとご家族のひとりから「実は…」と来て、分割に納得していないと。

実際、ご家族で足並みをそろえた動きをしてくれず、遺産分割協議が紛糾したわけではないのですけれど、終始冷戦みたいな状態でした。相談の入口で「いいよ」と言っていても、兄弟間の関係性などに気を付けないと、そうとは限らないこともあります。

司法書士リーガル・パートナーのイメージ画像
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堀内先生:家族信託における現場でも、そういった水面下の動きがあることは多いですね。
言った言わないにならないように、相続人一人ひとりにヒアリングをして、そこで伺ったことをまた他の相続人一人ひとりに話して、ボイスレコーダーでその記録を全部残して、とやったことは一度や二度ではありません。

そう考えるとある意味、我々は紛争に至らないようにするための最後の砦であり、家族をつなぎとめるような役割を担っているとも言えますね。アドバイザーとして傷口を浅くして浅くして、何とか家族としての体を守れるように導いていく。2年、3年と経つと傷口も癒えて、年末年始とかにやりとりができる関係は維持できるようにする。その関係性を越えて、明らかに紛争性が予見できるようになると、「弁護士さんのところに行ってください」と法律上ならざるを得ません。

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ただ、お互いへの不満を最初に私たちに言ってくれるというのは、まだお互いに話し合う余地があるということなんですよね。そんな時に、多くの司法書士や税理士の先生は「それは家族間で話し合って、調整してからこっちに持ってきてください」という対応をします。
司法書士が代理人として紛争に入っていると見なされるような行為は弁護士法違反になるので、その対応は正解と言えば正解でしょう。

しかし、弁護士を頼れば、お金も期間も余計にかかることになります。一方、そこで我々が丁寧に対応することで、ほどけていくこともあるのです。

渡邉先生:「聴くこと」「機微を感じとること」というのは、相談相手に負担をかけさせないためにも、とても重要ですね。

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堀内先生:判例なんかを見ていると、訴訟しても結局、法定相続分(※)に落ち着くことが多いんです。だから争っても争わなくても、実のところ大して変わりません。
弁護を依頼する費用とか、お互いのストレスを勘案してみると、話し合いで解決できるのがいちばんよいと思います。我々が動くことで解消するものがあるのであれば、最大限のことはやっていきたいですね。

(※)被相続人の財産を相続するにあたり、各相続人の取り分として法律上定められた割合

余談になりますが、特に最近は、紛争性のある相談も増えてきた印象です。どういうことかというと、家族信託の基本的な活用方法は、親が認知症になった場合の資産凍結リスク対策なのですが、「資産を防衛する」という機能もあるんです。

これは実際にあったケースで、認知症が進み始めている高齢の母と兄弟の話なのですが、母と一緒に住んでいる弟が、母の預貯金を不当に引き出していると。それを離れたところに住んでいる兄が気づいて、不当に引き出せなくなるように、家族信託で何とかできないかというわけなんですね。

実際、家族信託のスキームで、母親が認めたうえで信託財産の委託者を兄に移せば、弟の妨害を受けずに財産を安全に管理できるようになります。これは我々が想定していなかった使い方でしたね。

渡邉先生:アドバイザーとして、これまでの事例にないような困りごとを想定するのは難しいですよね。「利害の調整」という役割が求められる一方で、そういった使い方はすごくニーズがあるかもしれません。

士業におけるプロの仕事とは?

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渡邉先生:今まで専門家として蓄積してきた知識・経験を、正しく表現することですね。相続の現場では、はじめに答えありきではなく、その場その場で相談者様のお気持ちをくみ取れるということが、何より大事になってきます。
その時「聴く」ということがちゃんとやれないと、せっかくの知識経験も活かされません。正しい提案をするためには、どういう悩みがあるのかを丁寧に把握しなければならないというわけです。

さらに、ご家族間、ご兄弟間のなかで、我々に説明してくれている問題だけが問題ではない、という認識も重要。相対していくなかで、表情などから心の機微を何となく察していかなければならないところがあります。専門性を活かすのは次のステップで、その手前で聴く力を持っていることが、本当のプロフェッショナルだと思いますね。

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堀内先生:信託に関して言えば、法律をちゃんと読んでいない司法書士、弁護士の先生が多いように見受けられます。家族信託はまだニッチな分野ですので、まずは熱意を持ち、専門書を読んで勉強するということがひとつ。
信託法だけではなく、民法・税法など、根幹にあるものは必ず研究しつくしたうえで、さらに勉強し続けることが最低条件になります。

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そのうえで、相談者における感情の機微や置かれた立場をくみ取って、声にならない部分も慮ってケアできるということ。これらを持ち合わせて、複数の選択肢を示せることが、プロフェッショナルの仕事だと考えます。
ぜひ、そんな仕事ができるプロを選んでほしいなと思いますね。

取材協力

司法書士リーガル・パートナー

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年間600件以上の不動産法務関連サポートで蓄積した豊富なノウハウと、税務・法務にワンストップで対応できるネットワークを活かして、不動産取引・相続をはじめ、事業継承に至るまで、家族信託に関わるあらゆる課題解決を提案します。
初回相談は無料で、相談者一人ひとりに合った家族信託の活用方法を、提案書というかたちで提供してくれます(作成に7~10日程度必要)。

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渡邉優税理士事務所

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相続が発生する前の相続財産把握、不動産の出口戦略提案、節税・納税資金シミュレーションなどの生前対策から、相続発生後の相続税申告業務、二次相続対策まで、特に不動産を含む相続の悩み解決をサポート。
さらに、不動産に関わる税務以外にも、法人税務・会計業務、事業継承対策、創業支援といった税務相談にも対応しています。

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