親孝行のための「家族信託」活用事例&実践ガイド
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家族で決めておくべきこと

親が認知症を発症し、ボケてきた…、そんな事態になる前に考えておきたい、相続について情報をまとめています。

親がボケてきた!そうなってから困る前に考えておきたい相続のこと

全国に500万人近くいると言われている、認知症患者。65歳以上の7人に1人は発症するというデータもあるため、本人にとっても、家族にとっても他人事ではありません。

認知症を発症したからといって、すぐ死に至るわけではありませんが、仕事や日常生活における処理能力は、大幅に低下します。場合によっては介護施設への入居を検討することもありますが、そのためにはかなりの費用が必要となります。

しかし本人が認知症になってしまうと「金融機関から本人の預貯金を払い戻しできない」、「住居を売却できない」、「遺産分割の正式な手続きが進まない」など、数多くの問題が発生します。認知症を発症する前に、本人が家族と相談しながら、積極的に対策を進めておく必要があるのです。

以下にその具体的な方法を紹介していきましょう。

任意後見人で支援者や財産管理方法を決めておく

2000年に施工され、利用者が増加中の『成年後見人制度』。認知症などの原因で判断能力が低下してしまった人の財産を保護することが目的の制度です。

具体的には家庭裁判所によって選出された後見人が、本人の財産を管理することとなるでしょう。しかし認知症が発生した後に申し込むと、親族ではなく、弁護士や司法書士が後見人に選ばれることが多くなります。

彼らには報酬が必要となりますし、血縁関係のない他人ですから、制度の利用にあたりストレスを感じることが多くなります。

このため認知症を発症する前に、本人が親族や信頼できる友人などの間から『任意後見人』を定めて契約を結んでおけば、実際の作業はずっとスムーズに進められるでしょう。

ただし成年後見制度は「不動産の売却などにあたって家庭裁判所の許可を待たなければならない」など、手続きを煩雑化させてしまうデメリットがあります。また後見人は一度制定してしまうと、本人の死亡まで解任することができません。

家族信託で財産管理方法を決めておく

成年後見制度のデメリットを補う、新しい財産管理法のひとつとして注目されているのが、家族信託。公正証書化することで、法的にも効力を発揮する契約となります。

具体的には本人が、家族など信頼できる相手との間に信託関係を結び、財産の運用管理を任せます。ただし本人が生存している間、財産は本人のために活用するのが原則です。

この方法には契約期間を自由に定められる、信託する財産の範囲を自由に設定できるなどのメリットがあります。成年後見制度より柔軟な財産管理法ですので、ぜひ認知症を発症する前に、活用を検討してみましょう。

本サイトでは、家族信託に関する詳細をまとめたページを多数設けていますので、ぜひ参考にしてください。

公正証書遺言で財産の分割方法を決めておく

相続に関し、最もポピュラーな方法として利用され続けている方法が「遺言書の作成」です。本人が生前(もちろん、認知症を発症する以前)のうちから財産の分割方法を定め、書面化しておきます。

自分自身で作成する『自筆証書遺言』でも良いのですが、専門家のサポートを得ながら作成し、公証役場で『公正証書遺言』にしておけば、確実な法的効力を持つようになります。

しかし遺言が効力を発揮するのは、本人の死後。「認知症を発症したので、介護施設に入居させるため費用が必要」という理由があっても、家族が勝手に財産を処分することはできません。遺言書は認知症対策にはならないと、あらかじめ理解しておきましょう。

エンディングノートで財産を示しておいてもらう

上記の遺言書を作成する前段階として有効なのが、エンディングノートの作成です。その書式やひな型などは、インターネットで検索することで簡単に入手できます(ただし「こう書かなくてはならない」という決まりはありません)。

こちらの主要な記載事項は親族や友人へのメッセージ、希望の葬儀法になるのですが、財産の概略を含めておくのが一般的となっています。また相続や分配に対する思いや意志を追記することもできますので、遺言作成の準備としては最適です。

もし本人が、いわゆる『終活』に前向きであれば、家族が作成をサポートしてあげると良いでしょう。

生前贈与で譲り受けておく

本人の頭がはっきりしているうちに、親族へ財産を分配してしまうのが『生前贈与』です。例えば孫がまだ小さいという場合、学費や養育費などが多く必要となります。早めに財産を贈与しておけば、子供にとっても孫にとっても有益な活用法となるでしょう。

しかし、ここで問題となるのが『贈与税』の存在です。110万円までは控除の対象ですが、以降は10%~の税率が加算されることとなり、3,000万円を超えると50%以上を納付しなければならなくなります。「コツコツと積み上げてきた財産の半分以上を、国に盗られるなんて…」と理不尽に感じるのも当然で、生前贈与を行う人は減少しています。できれば他の方法を検討した方が良いでしょう。

【対談企画】相談相手の選び方・見極め方
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家族信託で実績多数の専門家

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