親孝行のための「家族信託」活用事例&実践ガイド
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家族信託の自宅相続について

相続財産のうち、預貯金と並んで多いのは不動産です。高齢の親が住んでいた自宅を相続する場合、不動産ならではの問題が出てくることがありますが、家族信託を利用することで解決できる場合があります。

一般的な相続制度とその問題点を理解したうえで、家族信託をどのように利用すればよいかを解説します。

相続財産の分割は「遺言書」か「遺産分割協議」で

法定相続人が複数人いる場合、相続財産の分け方は、亡くなった人(被相続人)が遺言書を遺していればそれに従い、遺言書がなければ法定相続人全員で遺産分割協議をして決定することになります。

遺言書に従うのは、財産を所有していた被相続人がその処分を決めたのであれば、その意思を尊重すべきだからです。もっとも、残された家族が路頭に迷うのを避けるため、財産を相続できなかったか、あるいは法定相続分と比較して極端に少ない割合であった相続人には、法定相続分の2分の1の割合まで遺留分を請求する権利が法律で認められています。

一方、遺産分割協議は、相続人全員の合意があればどのような内容でも構いません。協議がまとまれば遺産分割協議書を作成し、相続人全員が自筆で署名して、実印で捺印します。不動産の相続陶器や銀行口座の名義変更には、この遺産分割協議書が必要となります。

なお、分割協議書で「財産は何も相続しない」とした相続人がいても、法的に相続放棄をしたとみなされません。相続放棄は相続開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所に対して申し立てる必要があることに注意しましょう。

財産が「自宅」の場合の相続での問題点

問題点は2つあります。

1.相続は被相続人の「死亡」が要件

民法では「相続は、死亡によって開始する(第882条)」と規定されています。当たり前ですが、被相続人となる人が存命中に相続手続きをすることはできません。「生前相続」という言葉がありますが、これは生前贈与のことで、法律的には相続ではありません。

例えば親を施設に入所させる費用が必要なので、空家となる親名義の家を売却しようとしても、子供にはその権利がなく、費用は捻出できないうえ空家のまま放置しなければならなくなります。

2.相続登記は相続人全員の合意が必要

父親が亡くなり、父親名義の家を相続する場合、遺言書がなければ遺産分割協議をしますが、もし母親が認知症で判断能力がなければそもそも協議をすることはできません。

すぐに売却したいという事情があれば、家庭裁判所に申し立て、母親に成年年後見人をつける必要があります。

あらかじめ家族信託をしておけば解決できる場合も

まず1の場合には、親が自宅を子供に信託しておくと、受託者である子は自宅を売却して親の施設入所費用に充てることができます。

次に2の場合、家族信託をしておくことで遺言書を同じように解決できますが、遺言は法律行為であり、財産に関してはどう相続させるかということしか決められません。一方、信託は契約なので、財産の一部を妻の介護に限って使用してもらうなど、自分の財産をどのように使ってもらうかをある程度自由に決めておくことができます。

家族信託はまだ始まったばかりの契約システムなので、どのようなことができて、どのような点に注意しなければならないかなど、専門家のアドバイスを受けながら実際の利用を考えていくことをお勧めします。

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