親孝行のための「家族信託」活用事例&実践ガイド
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家族信託における信託監督人

信託監督人とは?

信託監督人とは、受益者のために信託財産の管理・運用が適切に行われているのかを、受益者に代わって受託者を監視する立場です。

信託監督人を指定するには、受益者がその当時存在することが前提です。受益者が存在するのであれば、受益者自身が受託者を監督できるのでは、と思ってしまいますが、受益者が自分で受託者を監督できない場合に信託監督人が指定されます。

例えば、受益者が判断能力の乏しい年少者や高齢者、障がい者である場合、信託監督人の存在が重要です。信託財産の内容や管理・運用が複雑になる場合に、信託監督人を指定することもあります。

信託監督人を指定する方法は2種類。信託契約書に信託監督人となる人を予め指定する方法と、家族信託の利害関係人が裁判所に請求することで信託監督人を選任してもらう方法があります。

信託監督人に与えられた権限

信託監督人に与えられている権限には以下のようなものがあります。

信託監督人は以下の4つの権利を行使することができません。

これら4つの権利は、受益者自身が自己の権利を確保するためのものです。

信託監督人になれない人

以下に該当する方は信託監督人になることができません。

信託監督人になれない人は未成年者や成年被後見人、被保佐人など判断能力が無い方です。 受託者も自分で自分を監督することはできないので信託監督人の資格がありません。

【ケーススタディ】信託監督人を設定することで相続税対策のトラブルを回避

成年後見制度の代用策として家族信託を締結し、信託監督人を設定することで相続税対策を行えます。

成年後見制度を一度利用すると、本人が亡くなるまで後見人の職務が続きます。このため、家族以外の方に後見人を依頼した場合、毎月2〜5万円の報酬が発生。長い目でみるとかなりの経済的負担となるでしょう。

本人が亡くなるギリギリまで相続税対策を行い、なおかつできるだけ多くの資産を家族に残したい場合には、家族信託を利用して信託監督人を設定するのがおすすめです。

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