親孝行のための「家族信託」活用事例&実践ガイド
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信託財産の追加について

家族信託契約を締結する際には、各家庭の事情によってことなる様々な将来起こりうる事項を想定しながら契約書を作っていきます。専門家に依頼する場合も、事情を考慮したうえで将来を見通したアドバイスをしてくれる人であることが大切です。

しかし、いかに丁寧に考えて契約書を作ったとしても、実際に信託を開始・活用していくうちに想定外の問題が起こることは十分あり得ます。家族信託自体の歴史がまだ浅いので、ある意味やむを得ないところではあるのですが、その中で比較的起こり得る問題が、信託財産の不足です。

委託者、あるいは受益者のために使う費用として一定財産を信託に組み込んでいたとしても、思いがけず長期の活用となったり、病気や事故で高額の費用が必要となったりと、信託財産が不足する可能性は否めません。預かっている財産だけでは賄えなくなった場合、信託財産を追加することはできるのでしょうか

あらかじめ追加について契約書で言及しておくのが一番

まず金銭の場合ですが、信託契約内で追加信託ができる旨を書いた条項があれば問題なく追加できます。ただし、あくまでも信託業務の遂行を目的とするものですから、極端な金額を追加するといった濫用は避けなければなりません。

追加条項があれば、委託者が受託者の信託口座に直接金銭を振り込むことで、追加の合意があったとみなされます。

自己信託は別途手続きが必要

ただし、自己信託(委託者自らを受託者とする信託方法)の場合、金銭の追加信託は委託者が口座に振り込むだけでは成立しません。自己信託は要式行為とされているためです。したがって、自己信託で財産を追加するには、その都度公正証書の作成をはじめとした手続きを踏まなければなりません

追加条項がない場合

契約時点で追加費用を想定していなかった場合には、契約書を変更することで対処できます。契約書を公正証書で作成していれば、再度公証役場に足を運んで公証人に変更してもらう必要があるのでご注意ください。

なお、契約を変更するときにも当事者間での合意は欠かせません。委託者、受託者、時には受益者の意思表示を必要とするため、誰かが認知症などになってしまっていると、場合によっては法定後見人をつける必要があり、契約変更が困難になってしまいます。したがって、最初から信託財産の追加条項は契約内容に入れておくのが安心です。

不動産は信託財産に追加できるか

不動産も金銭と同様に追加することが可能です。

ただし、契約内に追加条項があったとしても、不動産の場合は改めて当該不動産に関する信託契約を結ぶ必要があります。また追加財産とするには信託を原因とする不動産の所有権移転登記が必要ですが、登記の際には司法書士が必ず本人と面会し意思確認を行います。したがって、可能ではあっても金銭に比べるとハードルが高いのです。

信託の目的に反する追加はできない

前述のように、信託には目的が定められています。目的に反する信託財産の利用、運用はできませんが、財産の追加にしても同様です。受託者は形式的には信託財産の所有者とされますが、あくまでも委託者の財産を目的の終了まで、委託者の信頼を得て預かっているのだということを忘れないことが大切です。

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家族信託で実績多数の専門家

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